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2話

1話
1818年、イタリアへの私費留学を終えフランスへ帰国したジェリコーは、3度目になるアカデミーのサロン(※1) 出品に向けて作品のテーマを探していました。 過去2度の出品作品は納得のいく結果が得られず(※2)、今回3度目こそは成功を収めようと思っていたようです。
そんな時、雑誌ジュナル・デ・デパにてメデューズ号の生存者による事件の記事が掲載されると、ジェリコーはこの事件に夢中になりました。 そして友人の経済学者オーギュスト・ブリュネの紹介で2人の生存者と接触。メデューズ号事件の絵画化を決意しました。

(※1)2話参照の事
(※2)1812年の出品作「突撃する近衛猟騎兵士官」→当時画壇の中心人物であった新古典主義の画家ダヴィッドにべた褒めされ、金碑を受賞するものの 誰も作品を買ってくれず、しばらく落ち込んだそうです。
1814年の出品作「傷ついた胸甲騎兵」→ナポレオンが失脚し、軍隊がテーマの作品は時代遅れとなってしまった時期。 前回と違って作品自体の評価もされず完全スルーという状態に。当然誰も買い上げません。
この結果に落ち込むどころかジェリコーは逆切れして、画家を休業し、王室灰服近衛騎兵の部隊に参加し兵士になってしまいました。 (1816年に画家に復職)
突撃する近衛猟騎兵士官
傷ついた胸甲騎兵
ダヴィッドの代表作「アルプスを越えるナポレオン」
ナポレオンの失脚と共にダヴィッドは国外へ亡命。以後フランスへ戻ることはありませんでした。
2話
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